OBD2アダプターを使って車の故障診断コネクターからデータを取ることが出来るスマホアプリで普段使いでの燃費を計測しています。今回、トヨタ ヴィッツ、ヴォクシー、ノア ハイブリッド、MR-Sのデータがそろってきたので、燃費を比較し、近似線が引けるか検討してみました。結果、それぞれ1日当たりの走行距離が長くなると燃費が良くなる傾向は同じですが、

  • 走行距離が長くなればサイズの小さいヴィッツの燃費が一番良い
  • ノア ハイブリッドは距離による変化がなくなる点が他車より短く、距離による変化が他車より小さい

ということが分かりました。以下詳細です。

日当たり走行距離と燃費比較


車両情報


日当たり走行距離と燃費

 これまで、以下の記事にあるように、OBD2アダプターを使って車の普段使いでの燃費を計測し、どのような傾向があるか見てきました。そのなかで、1回1回の走行は燃費のばらつきが大きく、1日ごとの走行距離の合計で見た方がばらつきが小さくなる傾向があることが分かっています。これは、1回1回の走行では高低差も含めた走行のばらつきが大きく、1日の終わりには開始地点に戻ってくることもあり、多少の平均化効果が働いているものと思っています。

詳細はこれらの記事にありますが、4車種分のデータが集まってきたので一度まとめてグラフ化して何か傾向がないか見てみました。色分けはしてみましたが、ヴィッツとノア ハイブリッドの燃費がよさそう、ヴォクシーが悪そう、MR-Sはその間、どちらかというとヴォクシー寄り、ということくらいしか分からないですね。

日当たり走行距離と燃費比較

次に日当たりの走行距離とガソリン消費量の関係を比較します。燃費よりはばらつきが少なく、走行距離が長くなるとガソリン消費量も増えますが、車によって傾きが違うように見えます。

日当たり走行距離とガソリン消費量比較

先に挙げた記事にもありますが、日当たりの走行距離とガソリン消費量の関係は累乗近似するとよさそうなので、それぞれ、累乗近似をした結果をグラフに加えます。

累乗近似は近似式を、$y$をガソリン消費量[L]、$x$を日当たりの走行距離[km]として、

\[ y=a x^b \]

とし、パラメータの$a$と$b$を『 Pythonで累乗近似を実現するための手法と実践例10選』などを参考に求めました。結果、小数点以下3桁までで書くと以下のようになりました。
  • MR-S:  $ y = 0.128x^{0.873} $
  • ヴォクシー: $ y = 0.205x^{0.824} $
  • ヴィッツ: $ y = 0.123x^{0.798} $
  • ノア ハイブリッド: $ y = 0.076x^{0.943} $
これらの近似線を先程のグラフに追記しました。

ガソリン消費量の近似線

ヴォクシー、MR-S、ノア ハイブリッド、ヴィッツの順にガソリン消費量が多そうです。このガソリン消費量の近似値を走行距離で割って燃費に換算し、日当たり消費量と燃費のグラフに追加したものが、冒頭のグラフです。燃費の面からみると、
  • 走行距離が長くなればサイズの小さいヴィッツの燃費が一番良い
  • ノア ハイブリッドは距離による変化がなくなる点が他車より短く、距離による変化が他車より小さい

ということが分かりました。

参考文献