OBD2アダプターを使って車の故障診断コネクターからデータを取ることが出来るスマホアプリでトヨタ ノア ハイブリッド(ZWR90W、R5年製)の普段使いでの燃費を計測しています。加減速の燃費影響を調べている中で、ノア ハイブリッドではアクセル開度と思われるパラメータが2個、今まで使ってきたスロットル開度とは別に取得できることが分かりました。2つのアクセル開度と、今まで使ってきたスロットル開度はどういう関係にあるのか調べました。

車両情報

アクセル開度とスロットル開度の計測データ確認

 OBD II の規格で取得できるパラメータの対応状況を改めて調べてみると、ノア ハイブリッドでは、アクセル開度と思われるパラメータが2個、取得できることが分かりました。"Accelerator pedal position D"と"Accelerator pedal position E"というデータがもしかしたら、アクセル開度?ということで、車から取れるデータに追加してみます。

 30分くらいの走行でデータを取得してみたところ、あれ、スロットル開度とアクセル開度って違いますね...。2つのアクセル開度も、微妙にどれも違いますね...。ちなみに、"Accelerator pedal position D"を"アクセル開度"、"Accelerator pedal position E"を"アクセル開度2"と表記しています。

スロットル開度とアクセル開度

この走行でのアクセル開度とアクセル開度2の関係を、横軸アクセル開度、縦軸アクセル開度2にしてグラフにしてみると、アクセル開度2はアクセル開度に16を足したような値になっているようです。
アクセル開度とアクセル開度2の関係

アクセル操作の多さと燃費

どちらにしても、時間当たりにどれくらい操作したか?は絶対値がずれていてもその分は後で補正できますので、このアクセル開度を使って、走行ごとに時間$\Delta t_i$で積算した

\[ アクセル操作の多さ = \frac{\sum_{i} (\textbf{アクセル開度}_i*\Delta t_i)} { 走行距離 } \]

を計算し、1回の走行ごとの結果を横軸アクセル開度の操作の多さ、縦軸燃費でグラフにしてみます。

アクセル操作(アクセル開度)と燃費


走行回数がそこまで稼げていないのでまだ、傾向は見えませんが、なんとなく、アクセル操作が多くなっても急に燃費悪化はしていないようです。

アクセル開度とスロットル開度の関係

 アクセル開度とスロットル開度も同じではないようです。昔のクルマはドライバーがアクセルを踏むと、エンジンに取り付けてあるスロットルがワイヤーで引っ張られて開くのでエンジンの回転が上がる、という仕組みでしたが、今はアクセルの踏まれている量をセンサーで検知し、マイコンで電気的にスロットルを開けるので、マイコンの設定次第でその関係が1対1にしなくてもよくなっているようです。特にハイブリッド車は、アクセルを踏んでもエンジンが動いていなければスロットルも開けないのでその関係は直線的ではないようです。横軸にアクセル開度、縦軸にスロットル開度の計測データをプロットしてみます。

アクセル開度とスロットル開度の関係


 最後に、ちょっと心配なので、アクセル開度の走行距離当たりの操作量を横軸に、スロットル開度の走行距離当たりの操作量を縦軸にグラフを書いてみました。アクセルOFFの時にスロットル開度が残っていることがありそうですが、走行距離当たりの計算値では、おおむね直線的な関係にありそうです。つまり、スロットル開度で計算した時と結論が全く違う、ということはなさそうなので一安心です。

アクセル開度とスロットル開度

まとめ

 トヨタ ノア ハイブリッド(ZWR90W、R5年製)で取得できるアクセル開度は2つあり、"Accelerator pedal position D"がアクセルペダルの開度のようで、"Accelerator pedal position E"は"Accelerator pedal position D"に16を足したような値、時間で積算して走行距離で割った値では、スロットル開度とは概ね直線関係にあり、アクセル操作と燃費の関係を調べるには"Accelerator pedal position D"とスロットル開度のどちらを使ってもよさそうです。