トヨタ ヴィッツ(KSP130、R.1年製)の燃費は一日の走行距離と走行時間によって大きく変わる
OBD2アダプターを使って車の故障診断コネクターからデータを取ることが出来るスマホアプリで普段使っているトヨタ ヴィッツ(KSP130、R.1年製)の燃費がどれくらいか、1年半ほど走行するたびにデータを取得してきましたので、まとめてみました。結果、私の使い方では約4.7km/Lから約18km/Lまで大きく変わることが分かりましたが、一番影響がありそうなのは平均スピード(=日当たりの走行距離/日当たりの走行時間)で、ある程度の距離を渋滞のような走行ではなく、あまり時間をかけないで走るのが燃費のいい走行と言えそうです。以下、詳細です。
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日当たり平均スピード(=日当たりの走行距離/日当たりの走行時間)と燃費 |
車両情報
- トヨタ ヴィッツ(KSP130、R.1年製)
- ガソリン車(Fパッケージ)
- エンジン:1KR-FE
- 排気量:0.996 L
- トランスミッション:CVT
走行ごとに燃費はばらつく
e-燃費の「トヨタ ヴィッツ F Mパッケージ 1000cc(KSP130)CVT FF」を見ると、一番多い階層が17km/Lだそうです。OBD2アダプターを使って車の故障診断コネクターからデータを取って度数分布表でまとめると、一番多い階層が16~18km/Lでした。「トヨタ ヴィッツ(KSP130、R.1年式)の走行ごとのガソリン消費量(燃費)を取得する方法と精度」に書きましたが、トヨタ ヴィッツ(KSP130)からは燃費の計算によく使われる「エンジン吸入空気量(MAF)」が取得できないので、多少誤差は増えますが他の項目から推定して計算しています。
走行ごとの燃費がなんとなく、分かるようになるということで、燃費がどんな時に良くて、どんな時に悪くなるのか、調べました。内容的には「トヨタ ヴォクシー(ZRR70W、H.24年式)の燃費は一日の走行距離によって変わる」と同様の手法です。
走行ごとの燃費を調べる
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図1.走行ごとの燃費 |
ヒストグラムを作ってみる
次に、ヒストグラムにしてばらつき具合を見てみます。一番多い階層が、18~20km/Lで、満タン法での燃費も16.6km/Lぐらいで落ち着いているので、それ位の場合が多そうです。ただし、きれいな分布にはなっていなくて、8~10km/Lのところにも一つピークがあります。
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図2.燃費のヒストグラム |
走行距離でまとめてみる
今回も、前回のトヨタ ヴォクシーの時と同様に、1回の走行ごとに走行距離と燃費の関係をグラフにしてみました。走行距離が10km以下の時と、30km周辺に集中しているので間が空いてしまっていますが、10km以下の時は約5km/Lから17km/Lくらいにばらつき、30km周辺のデータは15から20km/Lの間、という感じでしょうか。
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図3.走行距離と燃費 |
走行距離のヒストグラムを作ってみると、図3のようになりました。通勤と近所の用事の時に使っていることが多いので、偏りがありますね...。
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スピードでまとめてみる
次に、高速で走ると燃費いいのかな?ということで、平均スピード(1回の走行距離/走行時間)と燃費の関係をグラフにしてみました。なんとなく、スピードが上がると燃費が良くなる傾向は見られるような気もしますが、こちらもばらつきが大きい印象ですね。
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図 5.平均スピードと燃費 |
エンジン水温でもまとめてみる
エンジンが冷えているときは燃費が悪く、十分暖機されている時は燃費がいいのでは、ということも考えられるのでグラフにしてみました。走行ごと(トリップごと)の時系列のエンジン水温データのうち、最小の値を抜き出し、その値と走行ごと(トリップごと)の燃費でグラフにしてみました。エンジンをかける前が一番水温が低い時が多いので、ほぼ、エンジン始動時(走行開始時)のエンジン水温になってると思います。
エンジン水温が高くても燃費の悪い時もあるので、単純にエンジンが冷えているときは燃費が悪く、十分暖機されている時は燃費がいい、とは言えない結果ですね。
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図6.最低エンジン水温と燃費 |
一日ごとにまとめてみる
では、1日の走行距離にまとめてみるとどうでしょうか?今回は284日分のデータですが、少しばらつきが少なくなりました。そして、データが足りないのではっきりは分かりませんが、一日に40km以下の走行の場合は距離が短くなるにしたがって燃費が悪くなる傾向があるようです。
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図7.日当たり走行距離と燃費 |
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図8.日当たり平均スピードと燃費 |
月間でまとめるとどうか?
約2年半程度の期間のデータになりましたので月別でまとめ、季節変動等がないか調べてみました。ここでの燃費は、同じ月の走行距離の合計と、燃料消費量推定値の合計で計算しています。季節変動の要因として、気温による暖房、A/Cによる燃費悪化が良く言われていますので、月毎にまとめた走行の、エンジン水温の最小値も併せてグラフにしてみます。12月から1、2月はエンジン水温の最小値も低く、逆に7、8、9月は高いようですが、そんなに燃費値は変わらない気がします。
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図9.月別の燃費とエンジン水温最小値 |
念のため、このエンジン水温最小値を横軸に、月別の燃費を縦軸にプロットしていみます(図9)。かろうじて、温度の低いところと高いところが若干低く、中間域が高くなっているようですが...、あまり気にしなくてもいい気がします。あ、ちなみにこのクルマは今は珍しい(?)マニュアルエアコンなのでそんなに差が出ないのかもしれません...
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図10.エンジン水温の月別の最小値と燃費の関係 |
結果
取扱説明書ではダメと書いてありますが、自己責任でOBD(故障診断)コネクターにOBD2アダプターを取り付け、スマホアプリでトヨタ ヴィッツの燃費を測定してみました。その結果、燃費は走行ごとにばらつき、一番影響がありそうなのは、平均スピード、特に日当たりの走行距離、走行時間でした。ある程度の距離を、渋滞のような走行ではなく、あまり時間をかけないで走るのが燃費のいい走行と言えそうです(434回分の走行、延べ約8,036km)。