トヨタ MR-S(ZZW30、H19年製)の燃費とヴォクシー(ZRR70W、H.24年製)の燃費を比較
車両情報
- トヨタ MR-S(ZZW30、H19年製)
- ガソリン車
- エンジン:1ZZ-FE
- 排気量:1.794 L
- トランスミッション:6MT
- トヨタ ヴォクシー(ZRR70W、H.24年製)
- ガソリン車(Z)
- エンジン:3ZR-FAE
- 排気量:1.986 L
- トランスミッション:CVT
トリップメーターでの走行距離との比較
最初に、『スマホアプリを使って計測したトヨタ ヴォクシー(ZRR70W、H.24年製)のガソリン消費量を満タン法と比較』と同様、 トヨタ MR-S(ZZW30) から取れるスピードの値を積算して求めた走行距離と、車のトリップメーターの値を比較することで、どれくらい正確にスマホアプリで走行距離が測定できるのか調べてみました。結果、約0.3%程度スマホアプリの方が少なく計測されましたが、ヴォクシー同様かなりの精度で計測できそうです。
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図2.トリップメーターとアプリ計測値の比較 |
満タン法でのガソリン給油量との比較
次に、満タン法でのガソリン給油量と、スマホアプリで計測できたエンジンの吸入空気量から計算したガソリン消費量を比較してみました。こちらは平均すると約4.4%程度、スマホ計測値より実際のガソリン給油量が少なくなる結果でした。走行距離よりばらつきが大きく、前回のトヨタ ヴォクシーよりもばらつきの幅が大きい、ということが分かりました。昔から満タン法でのガソリン給油量自体もどこまで正確?という話もあるので、これくらいの誤差は許容しましょう。一応、同じガソリンスタンドで、オートストップ3回で給油しています。ちなみに、トヨタ ヴォクシーの時は出先で給油することもあったので、そのばらつきも含みます。
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図3.満タン法でのガソリン給油量とアプリ計測値 |
走行ごとの燃費を調査
主に片道約30kmの通勤で調べてみました。まずはヒストグラムを作成しました。トヨタ MR-Sの e-燃費での燃費投稿 では、平均燃費が12.1km/L位だそうなので、ほぼ同じくらいの燃費が出ていますね。走行経路の変化があまりない使い方だったので、燃費のばらつきも少なめになっています。
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図4.走行ごとの燃費と頻度 |
走行距離の影響はどうか、グラフにしてみました。やはり、一回一回の走行は登りばかりのコースや下りばかりのコースもあるのでばらつきが大きく、あまり傾向が分かりません。
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図5.走行距離と燃費 |
平均速度の影響も、なんとなく速度が高い方が燃費がよさそうですが、幅は大きいようです。
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図6.平均スピードと燃費 |
一日ごとにまとめる
『トヨタ ヴォクシー(ZRR70W、H.24年製)の燃費は一日の走行距離によって変わる』 同様、一日ごとの走行距離でまとめてみると、やはりばらつきが少なくなり、傾向が分かりやすくなります。日当り走行距離が40km以下では走行距離が短いと燃費が悪いですが、40km以上では、ほぼ落ち着く感じですね。
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図7.日当り走行距離と燃費 |
さらに、日当り走行距離を走行時間で割った、日当りの平均スピードでまとめると、よりばらつき幅が減り、30km/h以下だと急に燃費が悪くなるようです。
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図8.日当り走行距離/走行時間と燃費 |
トヨタ ヴォクシーと比較
では、トヨタ ヴォクシーと比較してみましょう。日当り走行距離との関係を比べると、似たような傾向で、日当り約2km以下だと急に悪くなり、距離が長くなると約14km/Lくらいになりそうな感じですね。距離が長い時に若干、MR-Sの方が燃費が良いように見えます。
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図9.日当り走行距離とMR-S、ヴォクシーの燃費 |
次に、横軸に日当たり走行距離を走行時間で割った、日当たりの平均速度で比較してみました。こちらも日当たりの平均速度が40~60km/hのあたりで若干、MR-Sの方が燃費が良さそうです。
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図10.日当たり走行距離/走行時間とMR-S、ヴォクシーの燃費 |
次に、ガソリン消費量で比較してみます。この方が、日当たり走行距離との関係が直線に近くなるので、比較しやすくなります。上の2つの図同様、走行距離が長い時に、MR-Sの方がガソリン消費量が少ないようです。
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図11.日当たり走行距離 |
横軸が大きくなるに従って、縦軸も大きくなっているので近似線を引いてみます。燃費=走行距離÷ガソリン消費量なので、走行距離とガソリン消費量の関係が一定だと燃費は一定、ということになってしまいますが、今までのグラフから、日当たりの走行距離によって燃費は変わることは分かっているので、直線近似はやめておきます。では多項式近似か、累乗近似か、はたまた指数近似...?
累乗近似は初期の成長が速く、後半で緩やかになる傾向がありますが、指数近似は逆に後半での成長が急激になります。
累乗近似は、例えば都市の人口増加や技術の進歩など、初期の成長が速く後に飽和する現象によく使われます。
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図12.近似線を追加 |
日当たり走行距離とガソリン消費量の関係が式で表せるとすると、さらに走行距離を割ることで燃費の近似線も引けます。
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図13.燃費に近似線を追加 |
点のプロットではなんとなく差がある、くらいでしたが、近似線を引いてみるとMR-Sの方がヴォクシーより燃費が全体的に良いことがはっきりしますね。以上より、トヨタMR-Sは、私の走り方では、トヨタ ヴォクシー(ZRR70W)より燃費が良く、スポーツカーといえど著しく燃費が悪い訳ではない、ということが分かりました。