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トヨタ ヴィッツ(KSP130)と
トヨタ ヴォクシー(ZRR70W)の燃費を比較してみました。結果、さすがに排気量996ccのヴィッツは1,986ccのヴォクシーより一日の走行距離が20km以上では燃費が良いですが、20kmより短くなると差小さくなる傾向がありました。小さい車に乗っているのに燃費が悪い、と思っている方には参考になるのではないでしょうか。
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ヴィッツとヴォクシー燃費比較(日当たり走行距離)
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トヨタ ヴィッツ(KSP130)とトヨタ ヴォクシー(ZRR70W)の燃費
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ヴィッツ(KSP130)の燃費 |
日当たり集計結果で比較
1回の走行ごとのデータではばらつきが大きくて良く分からないので、一日ごとの走行距離、走行時間で集約し、比較しています。ヴィッツは日当たり走行距離が60kmくらいで17km/L程度の燃費になっていますが、同じくらいの走行距離の時にヴォクシーは10km/Lいくか、いかないかくらいの燃費になっています。
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ヴィッツとヴォクシー燃費比較(日当たり走行距離)
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次に、日当たりの平均速度(=日当たり走行距離/走行時間)を横軸にとって比較すると、平均速度が40km/hから60km/hではヴォクシーも12~14km/L程度となり、少し差が小さくなりました。
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ヴィッツとヴォクシーの燃費比較(日当たり平均速度) |
ただ、どちらも日当たりの走行距離が20km以下だったり、平均速度が20km/h以下になってくると差が少なくなっています。一日の走行距離が短い使い方だと燃費に差が出ない、と言えると思ます。では、その差をガソリンの消費量で比べてみるとどうでしょうか?縦軸を燃費ではなく、ガソリン消費量にしてみます。同じことですが、日当たりの走行距離が20km以下だとほぼ重なりました。燃費がいいはずの排気量の小さな車に乗っていても、日当たりの走行距離が短いと、思ったほどガソリン代に差が出ないということが起こりえる、という結果になりました。
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ガソリン消費量で比較 |
近似線を引いてみる
上の図を見ていると、これは日当たりの走行距離でガソリン消費量が近似できるんじゃない?と思えます。燃費=走行距離÷ガソリン消費量なので、走行距離とガソリン消費量の関係が一定だと燃費は一定、ということになってしまいますが、今までのグラフを見ると日当たりの走行距離によって変わることは分かっているので、直線近似はやめておきます。では多項式近似か、累乗近似か、はたまた指数近似...?
累乗近似は初期の成長が速く、後半で緩やかになる傾向がありますが、指数近似は逆に後半での成長が急激になります。
累乗近似は、例えば都市の人口増加や技術の進歩など、初期の成長が速く後に飽和する現象によく使われます。
という記事
(1)を見つけました。ここではそれに従って、累乗近似を試してみました。先程のグラフに累乗近似式を追加してみます。決定係数R
2がヴィッツ、ヴォクシーとも0.99以上で近似できそうです。
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日当たりの走行距離とガソリン消費量、近似式 |
燃費も近似できる?
ガソリン消費量が日当たりの走行距離で近似できるなら、その走行距離を予測ガソリン消費量で割るとガソリン消費量が予測できそうです。ということで作ったのが、冒頭のグラフです。なんとなく、傾向はあってそうです。
この予測から、例えば燃費10km/Lが20km/Lになることを燃費2倍、という言い方で言うなら、どれくらい燃費差があると言えるのか、グラフ化してみました。結果、ヴィッツはヴォクシーより日当たり20km以上で1.8倍、燃費が良いと言えそうです。ただし、逆転することはなかったのですが、日当たり走行距離が20kmより短い領域では急に差が小さくなる傾向もありそうです。
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ヴォクシーとヴィッツの燃費差 |
参考文献